彼は、サンタさん、と呼ばれるそうだ。フィンランドから出身でこの風貌であればそれ以外に呼び様が無いだろう。アメリカ人だったら、放浪していたカーネルサンダースでもいいかもだけど。想像を絶するDEBUだった。もう歩き方もよたよたしている。多分そのうち杖とか車椅子じゃないと動けなくなる。ネクタイすらもしていなかった。シャツはよれよれだった。
彼は、この演奏会では指揮者だが、実は第一の肩書きは作曲家なのだそうだ。しかも交響曲の数だけで現在作曲中?のも含め232曲だそうだ。(北欧音楽マニアの赤いCD売りの日記より)。ハイドンの2倍以上だ。昨年は20曲以上作曲しているそうだ。200番以降は殆どnot yet performedになっている・・。彼自身がせっせと振ってもそれよりも作曲ペースの方が速そうだ。。今月の読響「名曲シリーズ」に「世界初演の198番」を演奏したそうだ。世界初演を名曲として演奏してええのか、という気もするが、ファンとかマニアとかオタクは狂喜乱舞したらしい。
彼は、臭いそうだ。フィンランドはサウナ大国だが、どうやらサウナに入って汗をかいて水で流して全てを終えるらしい。あの体型で臭いといったら相当のものだろう。渉外担当べっちは大丈夫だったのだろうか。
彼の名前はレイフ・セゲルスタム。
この日の読響プログラムは マーラーの交響曲7番。夜の歌。
明るいのだか暗いのだか判らない、何か多重人格な曲だ。マーラーがそろそろ「あっちの世界に行っちゃって」いる感じ。いっちゃってからが本領発揮なんだろうが。赤いばよりにすとのH氏の解説によると、今日の演奏はマーラーのいっちゃった感じがとても良く出ていたはっちゃけた演奏で、これを基準にすると他のオケ聴いたらつまんないかもよ、っていっていた。名演でもあり怪演でもあるということだろう。マンドリンやギターの音色がオケと合うなあとか、サンタ氏が連れてきたらしい北欧のホルニストの伸びやかな音が素晴らしいとか、康さんがまた嬉しそうにソロ弾いていたなとか、(またそのソロが素晴らしい!)金管軍団がノリノリでベルアップしていたなとか、その程度の感想しかないのだが、確かにハチャメチャ度が高くて楽しかった。このオケはこういうはちゃめちゃなの好きみたいだ。皆嬉しそうだ。そうそう、あの100円ビールの店にまた行ったのだった。。演奏会の後、Fオケはサンタさんと体型の傾向が似ている2名と(おれんじ代打の)ぐっぴとともに、そのマニアとオタクの間を浮遊する人々(赤いCD売りと、太鼓たたき、ばよりにすと)と呑む事になり、北欧とイギリスの音楽について、さっぱり訳のわからない単語を並べられた。私は眼をぱちくりさせていたが、ぐっぴは「知らない!」という自己主張を思う存分していた。知らなくても自分を出すところが、流石ぐっぴだなあと感心した次第。そういえば、これだけは聴いたほうが良いよというH氏のお薦め曲をすっかりわすれた。誰かの弦楽曲だったような?序奏とアダージョ?誰のだっけ??
# by violatsubone | 2010-02-19 19:00 | 音楽鑑賞