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白髪と饅頭

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急に暑くなり、何故もっと段階を踏めないのかと愚痴りたくもなる今週、先週の様に一人ダウンを着るのは嫌だ、来週は春物を着たいと思い、金曜にクリニング屋の携帯に。
「服を持ってきなさい」
「明日午後ならば」
「午後は外出するの」
「8:30ならば・・」
「・・・仕方無いわね」
というわけで花の土曜日朝に早起き。冬服を思い切りよく片付ける。
代わりに持ってきた春夏物。
何か、、あたし、、服多すぎ(-_-)。それも似たようなスーツばかり。
クリニング業界は供給過剰+洗濯機、洗剤性能の向上で自宅洗濯派が増え、厳しいらしい。大体において家の周りもクリニング屋だらけ。徒歩10分圏内に何軒あるか。そんな厳しい事業環境下にいる彼らにとって、私はかなり良い客だと思う。まあセーターでシーズンオチのものは家で洗濯しちゃうけどね。スーツが多いから。
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そぞろ歩きにぴったりな麗らかな午後。散歩するには青山が良かろう。でもさんぽじゃなくて
美容院なんだけどね。ザ・白髪染め。プラス髪もそろそろ纏まりが無くなってきたので。散歩日和=紫外線日和。若い頃は考えもしなかった武装を顔に施し、川沿いの蕾を冷かしながら。
不思議ですね、この季節になると枝も張ってくる気がします。生命の気配すら感じさせない冬の桜(というか全ての落葉樹)、2週間前から枝が落ち着かなげにざわざわしてきて、気が付くと小さい葉と小さい小さい芽がそこここに芽吹いている。この満開になる前の落ち着かない様子が微笑ましいです。ちょっと回りをみつつ「私もう咲いていいかな」「隣はまだ蕾も数えるくらい」「ちょと走ったかなあ」なんて、周りと調和をとる桜と、同じ種類のはずなのに、俺は俺だと勝手に先に満開になる奴。うちの前にある桜はそうしたアウトローでいつもフライングする。
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一転して青山は行き着けの美容院。
いつもながら担当のお姉さんのてきぱきぶりは気持ちよい。そして男性がどうしてこうダラーンとしているんだろう。ここはスタイリストに見習いが必ず一人つき、ペアになっている。最近はこの見習いが男の子ばかりで、前回と同じ、ヘンなおしゃべりをする子だ。そんなに若くないという。それにしても「今日は暑いって知らなくて中に長袖Tシャツ着たら暑くって、脱いだんですけどそのこと想定していないからピンクのタンクトップ着てるんです、透けてるんですよお」なんていわれてもお前のタンクトップなんて興味ない。私は雑誌読んでるんだから邪魔しないでよ。
それでもなんだか自分の家族のこととか話しまくってる。だから興味ないってば。サーヴィス業でKYってどうなんだろうか。
無事髪の毛が終了。待ち合わせ時間までぶらぶらしていようと歩くと以前化粧品やだったところがなんと饅頭屋になっている。南青山一等地にある饅頭。しかも湯気を立てている。どんな凝ったスイーツ(笑)よりも素朴で皮がしっとり、上品な甘さの餡が程よく入った饅頭が私の好みだ。
つい引き寄せられるように買ってしまった。呼び水になったみたいでその後で何人も「え、こんなところに饅頭」とふらふらと入っていく。10円饅頭じゃないよ。100円以上する普通の大きさの饅頭。いや日本の和菓子(スイーツなんて呼ぶものか)が一番、とご満悦。
「何か買い物したの?」
「ええ!これを」
と饅頭の包みを待ち合わせた友人に見せたら何ともいえない奇妙な顔された。
青山の唯一の買い物だった。

by violatsubone | 2008-03-22 12:30 | 買い物