赤い演奏会観戦記(2/17up すんません)

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聴きに行きました。Fおけから10人近く来ていたでしょうか。

オーケストラ・ダスビダーニャ(以下ダスビ)
第15回定期演奏会。

ショスタコーヴィチ(当然全て)
ノヴォロシスクの鐘
交響曲第9番
交響曲弟11番「1905年」
指揮:長田雅人
於:東京芸術劇場

アマオケの中でも特異な位置を占めているこの団体、昨年初めて聴いて今年も是非行こうと前々からKMTさんにS席をお願いしていたのでした。ショスタコーヴィチをおかげさまでこの1年結構聴いた気がします。案外好きだなあと思ったときには、5番以降の〈何故か後ろから買っていった)シンフォニー全て持っていた。モスクワまで墓参りにも行ってきたことだし。重い思いをしてマクベス夫人とかのスコアをお土産用に持ち歩いた事だし。本人は一度も弾いた事がないというのに!!!。
本日は9番と11番。実は11番は聴いた事ある中ではかなりハマった曲なのでした。あの暗い迫力。その中にもマーラー的な人を食ったような冷笑的部分もあり、3楽章、感涙もののビオラソリ。マーラーの練習時に森口さんがおっしゃった「マーラーの延長上がショスタコーヴィチ」という言葉で余計関心を強く持ったのかもしれません。

前プロのノヴォロシロスクの鐘、出だしはチェレスタとショスタコは記しているそうですが、ダスビではハンドベルを使いました。木管の前にハンドベル隊が4名。オケが皆着席している中で、立ったまま、くねくねと身を捩じらせて演奏する姿はかなり印象的です。萌えダンスと命名してます。特に男性の腰の入れ方は素晴らしい。オケの動きとは全く異なるので、その異質さが一層面白いのであります。音も異質感があるのですが、その溶け込まなさがいいですね。逆に。
終演後、木管の男性から小さな花束が贈られたのは、とても微笑ましいです。
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すみません。時間がたってしまって9番の印象が薄くなってます。多分こちらのほうが冷静な演奏だったかと。(というかダスビにはこちらの方が難しかったかもです。爆音系じゃないし)ちょっとねじれた明るさがショスタコ風です。そうそう、精緻になったなと思っていたのでした。Vnソロ、コンミスのKちゃんが凛としてました。

さて休憩後に11番。そういえばずいぶん昔に「戦艦ポチョムキン」観てたんでした。これに使用されていたのですね。「血の日曜日」を題材にした表題音楽です。
ダスビモード全開といった感じでしたね。銃撃戦の様です。舞台の後ろに炎が燃えている雰囲気です。戦争画面を描いたロシア絵画が後ろに飾ってあったらぴったりなのにと思いました。炎の中にSりんとかRにんとかいたりする。
1楽章のTpからひきつけられました。流石団長さんですか、上手ですね。遠くまで響く感じがとても出ていた気がします。まあ前回から口をあんぐりあけていたのですが、打楽器族の迫力
は相変わらずです。特にスネアドラムの方、魂のりうつったというか、狂気的ですばらしい。2楽章の盛り上がりはまるで「砲撃、始め!」と指揮者が合図したかのように、一斉銃撃です。阿鼻叫喚。もう銃撃されて死んでしまったかと思いましたよ。Tbもかっこいいです。ハラショー出ていたのナットクです(笑)。3楽章のビオラソリ。こんなに長くビオラがソリ弾くのはブル4以上ですね。しかも鬱蒼としていてビオラ的な素敵なメロディー。現在頭の中はこのメロディーが繰り返しです。演奏は出だしちょっと音程不安定?なところもありましたが、ビオラの音色が出ており、ゆったりとしておりブラヴォーでした。もうすこし強弱がついていると良かったななどと贅沢な感想です。途中盛り上がり4楽章へ。金管が弦を消している?特に高弦が聴こえないところも多々ありました。でも弦の皆さんはハイパーアクションで、ダウンボウもアップボウも「魅せる」弾き方をしてますね。たとえその音が打ち消されがちになっても、その情熱は消されないです。狂乱というほどでもないですが、やはり打楽器金管が本気だして全開すると弦は敵わないのでありまして、そのあたりのバランスをもう少し考えるか、いやいや俺達は全開だぜ!でやるのかは、もしダスビが後者で最初から考えているのであれば、それはそれでスタイルかと思います。
舞台の後方真ん中に置かれている「鐘」をいよいよならすクライマックス。あの鐘はどこから持ってきたのでしょうか。ああいうものも借りれるんですか。。視覚的にも存在感ありすぎでした。

演奏が終わり、指揮者が棒をおろすまで、誰もフライング拍手やブラボーが無いのは観客も曲の思い入れがある人多いのでしょうか。静寂を一緒に味わう事が出来ました。音楽は終わってからの余韻含めて楽しめる、最近のアマオケ観客はとても成熟してきたのでしょうか。弊オケのマラ9の時もその静寂がとても素晴らしかったです。

ダスビの皆さん、情熱的な演奏を有難うございます。べありんさん、コンミス素敵でした。KMTさん、奥様、ビオラソリブラヴォーです、そしてネックアップで弾くアクション抜群でした。yevgenyさん迫力の中にも切れの良さがあり、素晴らしいです。豆柴さん、遠くだったので出演なさっている事後で初めて知りましたm(__)m。ホルンも皆さんそろって迫力ですね。あの人数一斉のベルアップには鳥肌立ちました。

「音楽家はオタクじゃだめなんだよな」師匠はぼやいてました。「特定の作曲家ばかり演奏するオケあるけどさ、ああいうのはプロにはなれない」
そりゃそうです。プロが演奏するのであれば、もっと冷静に、1年の何百回かの演奏会の一つとしてバランスを考えた演奏をするでしょう。そういう意味でダスビは良くも悪くもアマチュアの究極の姿なのかもしれません。その姿に魅せられて団員も観客も来るのでしょう。私もその一人です。アマオケはプロの精緻さは出せないけれど、アマだからこそ許される「オタク的情熱」もあるのでありまして。私はだからダスビのファンですし、勉強させられます。アマチュアオケは都内に履いて捨てるほどあります。そこで「うちのオケはこうだ」というスタイルを確立できているところはそう多くない。ダスビはその少ない一つだと思いますね。ショスタコばかりやっているから、ではなくて、作曲家への愛と演奏できる喜びが伝わってくるところが、です。新響の円熟も一つですし。TAOの贅肉の少ない超絶技巧も一つです。FAFは何を持って「これがうちのオケの特徴です!」と言えるか、どうでしょうか、皆様。何となくこうかな、というのは自分的にはありますがまだ言葉に上手く表現できません。
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by violatsubone | 2008-02-11 14:00 | 音楽鑑賞