そして観てしまった>はんにばる誕生 上手な悪人の作り方

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恒例レイトショーコース。

原作が予想以上の体たらくであり、映画は脚本を原作者自身が書いているというので、これはもうラズベリー賞超有力候補でしょう!ということで。期待が膨らみます♪。昨年は「氷の微笑3」の圧勝だったそうで、今年は「ロッキー4」とか「ダイ・ハード4」とか、過去の栄光もう一度あがき系映画が多いので、賞レースも楽しみです。アカデミー賞総なめだった「羊たちの沈黙」から16年もたったんですね。ここは是非大賞をとっていただきたい。

観る前から、興味は一点、ギャスパー・ウリエル君の切れぶりのみ。
いや、これは中々良いですわ(笑)。

「悪人の出来方」といえば、やはり出てくるのはスターウォーズの新三部作ですね.あれも、マニアの為の映画ですよね。マニアの数が半端じゃないから、興行史上1位とかとるわけですけど。(抜かれたっけ)。ダース・ヴェイダーだって「出来るまで」で3作ももたせたんだから、俺のハンニバルだっていいだろうという原作者の鼻息でしょうかな。原作者、本当にハンニバルに自分自身心酔している感じです。好きなもののごっちゃ混ぜ。マキャベリ家(平民)とヴィスコンティ家(大貴族)というありえない組み合わせの血筋だってきいたのに、15世紀リトアニア公国の公爵になってるし。(→これはウラド・ツェペッシュ=ドラキュラのモデルを意識したに相違ない)医学博士で芸術家でダヴィンチ並の万能人、アインシュタイン並みの頭脳。もう、冗談の様なハンニバル氏であります。で、まともに育っていればノーベル賞は間違いなしの氏が、人食いおやぢとして牢獄と娑婆を行ったりきたりしている理由が。。。

「戦争」

だとさ。ちゃんちゃん。はい、ストーリーはこれにて終わり。ちょっとした残酷な落ちを含めて、作者は「こんな目にあったのだから怪物になってもしょうがない」と暖かくみているわけでした。
怪物というより「復讐するは我にあり」ですかな。

映画はまあ、原作よりましですよ。受け狙いではコン・リー演じるマダム・ムラサキの面妖なジャポニズムでございますが、ま、これは確信犯的にキッチュにしているのでせう。浅草の仲見世通りにぶらさがっている様なサテン地の襦袢?がなんともいえず。甲冑を拝むという風習も、面がぶらさがっているというインテリアも、微笑ましい珍妙さです。で、戦国武士の晒し首に魅せられたレクター君は「首を切って晒す」ことがちょっとしたマイブームになります。若者は影響されやすいんです。

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こんな映画ですが、私は「美貌の殺人鬼」という設定に弱い。「悪魔は天使より美しいはず、だから人は悪の誘惑に落ちる」とどっかの三流ミステリーだかエッセイだかで誰かが言っていました。ええ、悪魔は美しくなくちゃ。ホプキンスと顔の骨格が全く違うギャスパー・ウリエルですが、いっちゃってる風がとても素敵です。悪人的美貌、というのであれば、スターウォーズのダース・ヴェイダー=アナキン君役のヘイデン・クリステンセンは正統派です。三白眼で睨むと凄みがでるところが特徴。ウリエル君はそうじゃなくて、礼儀正しい青年の顔している。ちょっと、キアヌ・リーヴスに似ています。一番痩せた時のキアヌの頬を更に削った感じ。悪人に見えないのは、黒目がちなところ、そして、ぎょっとするほど禍々しいところは、方頬だけにぼっこり浮かぶ不気味なえくぼでしょうか。眼がいつもまっすぐキラキラしているから、余計いっちゃている感が強いのでしょうね。にっこり優等生な笑いを浮かべて首をちぎると。私はあの悪魔のえくぼに釘づけでしたわ。

変なもんでも笑って受け入れる度量があれば、観てやって下さい。ウリエル君みるだけでもいいですよ。

追伸1.
そういやあ、映画のHPにハンニバル年表というのがあったんで、読みかえしてみたら、「フィレンツェで室内楽でミスったビオラ奏者を食った」と、ありました。げ、そうだっけ。「レッド・ドラゴン」では下手な市民オケでもありえないようなミスをしたフルート奏者を食べていて、プロであれなら食われても仕方ないぞと思ったもんだが、ビオラも?だってミスっても目立たないじゃん(笑)と思って本屋で立ち読みしたところ、どうもヴィオラ・ダ・ガンバの誤訳の様です。やあねえ・・。クラシックファンのレクター氏は若い頃からゴールドベルグ変奏曲が大好きで、そのまま彼のテーマ音楽になってます。

追伸2.
愛するものを殺されて、その復讐に一人一人・・というのであれば、思い出すはウールリッチの「喪服のランデヴー」です。あれは泣けたんだな、学生時代に読んで。
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by violatsubone | 2007-05-22 21:30 | 映画/TV