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マーラーってやっぱりこういう奴

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★映画の話。この記事を書いている5月18日はこのおっさんの命日で、この日に渋谷観に行くと1000円だそうです。

ユーロスペースって、渋谷の逆側(私はハチ公基準)だよな、面倒だな、と思っていた私は相当長い間この映画館に行っていなかったのだ。いつの間にか桜丘からラXホ街に移転していた。ライブハウスとかも沢山あるところ。映画館あるのは知っていたけど、これユーロスペースだったのね。身にシアターも色々移転したり閉館したり、余計私の足を遠ざける。
顔本つぶやきをきっかけに雨の中足を運ぶ。あー湿気で空気が思いところで、節電だかで空調が控えめなむっとした小じんまりとしたシアターに、デジタル大音量でマラ10が延々とながれていた。ああ、つかれた。なんだか3時間くらいやっていた印象だった。外れが多い「作曲家伝記もの」映画の中では佳作なのかもしれんが、面白かったか、と聞かれると返答に窮する。お薦めかと聞かれても、うーん、まあ人生色々夫婦も色々、女だって色々咲き乱れるのおおと歌うしかないかしらん。

原題はMAHLAR AUF DER COUCHって書いてあって、これはフロイトの診察所にあったソファつうか寝椅子のことなのかなあ?邦題は「君に捧げるアダージョ」って、相変わらず恐ろしくこっぱずかしい副題になってる。まあ欧米の原題って案外即物的だからな。

ストーリー
「妻が浮気をいたしまして」と、寝取られ男マーラーが浮気相談所のフロイト先生のところに行く
「それはそれは、では詳しく話してみなさい」と、フロイト先生の薦めるまま、寝椅子に座った状態で、アルマの浮気についてぐだぐだのべる。
まあこれだけよ。
いや夫婦や愛の形について考えさせられたという方も多いと思うが、夫なんてしろもの居ないし、年の差19歳恋愛なんぞしたことないし、私崇高なことわかんないから、ふつうに、お年頃でモテモテの若妻が老いた夫を尊敬しながらも若い男を求めるっていう、チャタレイ夫人パターンで、その辺の官能小説なんぞにありそうな筋だと思うけど。それに芸術ってもんが絡むから俄然高尚になるんですね。
マーラー氏の告白を聞いて、「そりゃ当然だろうなあ」とぼんやり思うフロイト。作曲もしていたアルマに、それは俺の仕事だからお前は家庭を守ってくれればいい。天才は一人でいい。と、誰もがあんぐり口をあけるオレサマ発言。まあそれでも才能を崇拝していたアルマは従う。マーラーはアルマのために天国的に美しい楽曲をささげる。でもアルマに限らず女性って、男性の半分もロマンチストじゃないし、男性の10倍くらい現実や生活に根付いて生きているもんだ。音楽だけを捧げる事で愛を表現して、外を全て抑制される生活なんぞで才能豊かな美人が納得するはずはない。で、本人はさほど積極的じゃなかったとしても、男性達が寄ってくればまあそーゆー関係にもならあな、と思う。
美貌で音楽的才能の持ち主で、本人もその自負がある彼女は、男性の選択基準が「芸術的才能」だったのだろうな。だから最初は「超ブランド結婚!」と舞い上がってたんだろう。しかしまあ芸術家
なんて普通良い夫たりえない。きっとマーラー以外の誰と結婚しても、似たような結果かと。
「俺はこんなに愛しているのに何故浮気をするのだ」というマーラーに「ああ、わかってないんだなあ」と性愛論者のフロイト氏。年はなれていたって石田純一くらい励めば若い子とだって上手く行くかもしれないのに。自己中心で、家庭を余り顧みず、いくつになっても大きな子供。子供な面が母性本能くすぐって、可愛いと思うかもしれないけど、でも私はまだ若いし。美人だし。才能あるし。アルマもアルマで浮気相手も芸術家(でも夫より小物と思っている)。芸術してりゃツェムリンスキーの様なヘンタイ(映画の彼はまじでやばい感じだ)でも何でもいいんだな。「芸術家」で「若くて」ついでにかっこよくて、更に・・とゆーことであれば、色々心傷ついている彼女の丁度良い相手なんだろね。
どっちにも感情移入は出来ないけど、ここまで鈍感なオレサマであるマーラーはアホ過ぎてちょっと同情してしまう程だ。サロネン指揮のマラ10をBGMに美貌の芸術家wwグロピウスとの浮気シーンが延々と流れ、なんだか脳内マーラーになった気分で鬱々してきた。

この次は、予告編でみた「飯と乙女」でも見て、すっきりした気分になりたいもんだな

by violatsubone | 2011-05-03 19:00 | 映画/TV