20代 首席客員指揮者 登場

都響定期。今月もまた連続だ。それも先月末にあったばかりだから凄い頻繁な気分。
そもそもがぷりんしぱる・げすと・こんだくた(首席客員指揮者)ってどういう位置づけよ、と思うが。赤いCD売りの復習グッズのお陰で聴きながら書いている。

本日はつかの間の開放感?チェコもの。以前からH氏が代推薦していた、ヤコブ・フルシャ。若干29歳。プログラムノーツに唯一誇らしげに生まれた年が載る。指揮者として、この年齢でトーキョーのオーケストラ首席客員指揮者になる。チラシをみると、人懐っこい笑顔が素敵なイケメンだ。久しぶりにウキウキで席に着いた。曲もチェコ・プログラム。久しぶり。
ドボルジャーク 序曲「フス教徒」
スメタナ 交響詩 「ブラニーク」
マルティヌ~ リディツェへの追悼
ヤナーチェク グレゴル・ミサ
今回が謎の「首席客員」就任お披露目ということもあり、彼のアイデンティティを示すチェコ・プログラムが用意された。それも前半は戦争や騒乱がテーマ。彼というよりも、チェコという国のお披露目というプログラムだ。彼の若さと意気込みが現れるなあと思う。
20代にして既に祖国では圧倒的な成功を収め、「プラハの春」音楽祭でプラハ・フィルを振る栄誉も得ている。海外公演も頻繁に行っている華々しい経歴の持ち主。登場した成功した人間に漂う風格があり、残念ながら体型にも風格が現れてしまってちょっと膨れてしまっていた。そして誠に残念なことにビオラ席には座布団がしいてあった。即ちMNB様ではない。

それらの若干のマイナスポイントを覗き、この演奏は誠に興奮すべき、素晴らしいものだったと思う。フルシャはキビキビとして無駄の無く、そして盛り上げも美味く、さすがに自家薬籠中の物といった感じだ。
ドヴォルザークとスメタナは共通した「フス教徒」の聖歌を元にした曲。現在のチェコ人の精神の根底にこの「フス派」。当時のカトリックへの反抗、ドイツ十字軍との戦争、最終的にフス教徒は敗北して、ハプスブルグ家に長い事支配されてしまうのだが、「アイデンティティと独立の象徴」なんでしょうね。我が祖国が毎年チェコで演奏されるように。この辺の自国の民族文化宗教へのこだわりは私ら征服されたことない日本人には理屈でしかわからんのですが、大国に翻弄され続けた大陸の小国にとってはそれが血であり肉であるわけなんですなあ。つうわけで、ぽわんとしている日本人の中でもひときわお目出度いバブ女な私は、たたたーた、というフス教徒のテーマをドボルザークの曲で奏でたとき「スメタナと一緒じゃん」、スメタナに関しては「我が祖国6曲の中で印象の薄い曲をなんでわざわざ」と最初思ったのだった。とっころが、「ブラニーク」がこんなに心奪われる良い曲だと本日初めて知った。細部がくっきりわかるキビキビした演奏で、硬質だが、抑揚に富んだ、ドライヴ感のあるものだった。この曲でこんなに興奮したっけな?。
マルティヌ~は彼が是非広めて行きたい故郷の作曲家。あたしゃ良くしらないけど、まあオタクには「超メジャー作曲家」だという。リディツェへの追悼、という曲は、変わってナチスドイツ下。SSの中のSSという感じのラインハルト・ハイドリッヒ(この人、両親音楽家でヴァイオリンの名手だったそうですね。そんでミドルネームがトリスタンw。写真みても美男とは思えんのだが、確かに祭服は似合う)暗殺の報復として、村一つが全滅されられたというやはり支配されたものの悲劇の歴史より題材をとった。この村の人が殺したわけじゃなく、レジスタンスを黙らせる為に、見せしめとして村一つを破壊した、ということらしい。大体、ハイドリヒ殺した黒幕ヒムラーとかじゃないの?
おっと横にまたそれた。曲は鎮痛でレクイエムって感じです。ゆったりゆっくり深刻な感じですが、そういう曲でも堂々と振っていた。
メインはグレゴル・ミサ。古代スラヴ語で、ソリストも全員チェコ及びスロヴァキア人という力の入れようだ。(ただ、経済的に考えれば日本人歌手4人にスラヴ語歌わせるより東欧人4人持ってきたほうが安いかもしれない?)ソプラノのアドリアナは写真よりももっと女王然としており、派手であり、メゾの「プラハのカルメン」と異名をとるヤナは写真ではモデルの様だが、実際はソプラノ歌手の侍女というくらい地味な井出たちだ。しかし、4名とも、やはり声の張りと力は欧州人のDNAであり大きく太く、なんだかよくわからんがスラブ語が浪々と響いていた。そうそうGLORIAがSLAVAなんだよな。スラーヴァスラーヴァだけは2年?前の経験で判ったぞ。(それだけか)あとはカメハメカメハメ、またはハニハニハニハニと聴こえるのはなんといっとるんだろう?。まさかアーメン?

ヤナーチェクのミサを生で聴くのは初めて。カッコイイですね。

フルシャ君、次回からは別に祖国にとらわれる事無く自由にやりますということだったけど、この挨拶は多分入場者に強烈な印象を残したと思う。29歳にして既に巨匠の雰囲気。都響は良い人をゲットした。。。。。
でも来年の定期には彼はいないけど?首席客員って、毎年顔出さなくていいの?よく基準がわからん。
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by violatsubone | 2010-12-13 19:00 | 音楽鑑賞