都響 マンフレッド’sと太鼓祭り

タクシーの中で「前プロ落ちるかも!」とぐっぴにメールを打った。運転手は私の焦りオーラを感じ取ったようで「19時開演ですね」と確認。結局5分前に着いた。だが座席にぐっぴはいなかった。木曜日だから授業で遅いのかな?まあ今回は3曲あるから前落ちでもいっかな。

今日はマンフレッド&マンフレッド。シューマンの序曲とチャイコのシンフォニー。その間には細川俊夫の打楽器コンチェルトみたいな曲。多分「旅人」縛り。指揮者は今や飛ぶ鳥落とす勢いの大野和士氏。ほぼほぼ満席だった。

マンフレッド、ああバイロンね。バイロンって教科書で見て(あのターバン巻いている絵)なんてイケメンなのかしらんと思った記憶がある。で、顔に釣られて読んだ本が私の肌にあわんかった記憶も。マンフレッドつうのは恋人の死に苦しみ悩むオレサマ、まんま自分の事ですか?なる話。死に向かうところがなんつーかロマン派なのよねー。シューマンの人格や曲想と共通するものがあるので、標題ととてもシンクロしとる序曲だ。
大野さんの指揮は美しい。音楽がどうのというより、手の振り方や、後ろから見た体の動かし方とかがカッコイイのだ。非常に表情豊かで、いや音消して彼の動きだけみていても満足しちゃうくらいだ。妙な、対向配置だった。ファーストビオラチェロセカンドで、コンバスはセカンドの後ろにいた。

2曲目になってもぐっぴは現れない。何か抜けられない用事でもあったのか。

1曲目が終了した時点で、ステージ係がわらわらと出てきてセッティングしなおし。中央に打楽器の集団が運び込まれた。バスドラ、タムタム、コンガ、ボンゴ、小太鼓、トムトム、トライアングル、アンティークシンバル、鈴、風鈴、ちべっとくろたる??、ログドラム??まあなんだか叩きモノ大集合。これが円を描くように配置される。セッティング係りかと思いこんでいたよれよれの服をきたおっちゃんが奏者だった。細川俊夫「打楽器とオーケストラの為の協奏曲:旅人」
このよれよれのおっちゃんが凄い。これは観るものだ。いきなり片腕をスローに上げて、タムタム?をポーンとたたく。もう一度別の腕をゆっくりあげて、ポーン。そしてゆっくり歩いて別の楽器をぽん、また回れ右してドラをボーン、正面にもどって風鈴を口でふー。2000年の初演も彼が叩いているそうで、細川氏は彼に捧げる曲とまで明言しているほどだから、もう、奏者もなれたもんである。譜面(一体どうなってるんだろう)は2箇所置いてあったが、たまにひょいの覗き見るくらい。なんだか厨房を一人で取り仕切っているシェフ(風貌から中華料理のシェフっぽい)のようだった。こっちを混ぜて、こちらを火にかけている間に、こちらのを刻み、焼け具合をみつつ、ソースを作る、というような。奏法も色々面白かったが、ドラをバチで擦る音だけはもう聴きたかない。独奏打楽器が旅人で、オケは宇宙だそうだ。まあ正直弦楽器はフラジオとトレモロばかりで効果音以下という感じ。金管は宇宙の広がりの表現の為か、ホールの横と後ろに一人ずつバンダがおり、音につつまれる雰囲気を出している。あからさまなバンダじゃないので、あれ?後ろから遠くから音が聴こえる?と振り向いてきょろきょろしてしまった。そして最後独奏打楽器奏者は、舞台から降り、鐘(あのUFO型の風鈴はなんつうなまえだろうか)をならしながら客席を歩いて出口に出て行く。演歌歌手かあんたは。お遍路さんってイメージかな。大野さんの最後、指揮棒を振り下ろしてから、さっとふりむいて観客の方に優雅に手を差し伸べたのが拍手の合図。奏者がかけよって戻ってきた。そういえば今日は何度も「指揮棒を振り下ろすまで拍手はお控え下さい」というアナウンスが流れていたなあ。
こんなのCDで聴いても寝ちゃうだけだが、ホールで観ながら聴くと、むちゃくちゃ面白いな。

独奏者(中村功)氏の後から、ステマネみたいなおじさんが舞台に上がった。何かなとおもったら作曲家だった。なんだかふつーのサラリーマンみたいだった。が、やっぱり天才の一人なんだろうな。

休み時間になってもぐっぴは現れなかった。携帯にもメールは無かった。

最近ツボネ専属音楽解説者となりつつあるF寅H氏が「マンフレッドは俺のマイブーム」といっていた。暑苦しいまでに熱いのがいいのだという。1度か2度聴いた事はあったけど印象にのこらんかったな、がちゃがちゃしていて、という印象だった。交響曲の番号がつけられていないので、このドン臭さは最初なのか、と思ったら4番と5番の間だったらしい。これはもうマンフレッドの苦悩というよりかドンちゃん騒ぎの様な音楽だ。苦悩より一人大騒ぎしている感じ。しかし「熱い音楽は熱く」という感じで、あの不動王の学様が前傾ノリノリで体を動かして弾いていた!。これでも大分大野さんの整理により洗練された演奏のようだ。洗練されすぎだ、つうのがH氏の言だ。

終演後、圏外地域から出てメールを取り込んだら、21時前後に「明日は芸劇だよー、今サントリーに向かってるの?」なる意味不明のメール。続いて10分後に「ぎゃーーーーー日程間違えた!!来週かと思った。来週はびよらスペースだ、ぎゃあああ」とチャイコのマンフレッドの様に吼えまくっているメールが届いた。この時間すっかり忘れて自宅にいたそうだ。

「大野和士ぶっちぎるなんて、さすがぐっぴさんは大物ですね。」赤い方々は感心してつぶやいていた。
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by violatsubone | 2010-05-20 19:00 | 音楽鑑賞