ここはサントリーホールではない!@タクシー

余裕で到着するはずだった。外出から直行、KY線東京駅を降りて、即手を挙げた。まだ18時25分だ。「赤坂のサントリーホールまで」最近の運転手は「赤坂の」をつけないとわからん人がいるので丁寧につけている。「。。赤坂のサントリーですね、了解いたしました」。やや違和感ある言葉が最初にあった気がしたが、了解したらしいので、ほっとしてBBでメール見ながら客先に電話をかける。私は商売する気の無いところからのお願い電話だ。間尺にあわないの、それっぽっち、と思うのだがそうはいえないので検討しますが難しいですよ、といって電話を切る。45分。まだ到着しないのかしらと外を見る。赤坂周辺の雰囲気は漂うが何かいつもの風景と違う。47分、「到着いたしました。サントリービルです」目の前には見慣れぬ地味なビル。ビルの上をみると確かに同社の事業所だ。今はメインがお台場だから、ここには殆ど主だった機能は残っていないのでは?。兎に角私は仕事でこの会社に用事があったわけではない。サントリーホールにコンサートを聴きに来たのだ。
「サントリーホールではないようですが」
「え!間違いました。ホールですか!」
「私最初にそう申し上げませんでしたか?」
運転手は焦る。私は段々言葉が鋭くなってくる。49分。
「19時からなんですよね。」
「もうしわけありません!」
あやまったってコンサートは待ってくれない。逆戻りして細い道を通るが、混んでいて進めない・
「金曜日は混んでるわね。こんな小道まで。皆さん間違えたのかしら」大げさにため息
「も、もうしわけありません!」運転手は運転席に埋もれてしまうくらい体を小さくする。
ため息はつくが私だって大あせりだ。1曲プロなのだ。1曲プロの1楽章が聴けないなんて。もしかして1,2楽章アタッカだったらどうすんだよ。(曲を良くしらんので、そのあたりもわからない)間に合わなかったらコンサート代請求してやる。
52分。見覚えのある通りにでる。ええい信号め、ここで何故赤になる。運転手は更に小さくなる。
55分。ようやくエスカレーター下に到着した。パスモで払おうとおもったら、「あそこでメーターを止めたので、対応ができないんです」蚊の泣くような声の運転手。「あ?」語尾上げ系。「あの、端数はいいので」1500円だという。普段はそんなにしないのだが、交渉する時間がない。ジャスト1500円あったので投げるようにしてお金を支払うと、エスカレーターを駆け上がった。58分。予想通りやや押している。クロークに預け、しかし席に着く前にすることがある。85分休憩無。行かねばならないWC。私は近いのだ。必死の形相で駆け込む途中で、知り合いにあい声をかけられたが殆ど無視した。100円ビールがどうのかといっている。何がビールだ間に合わなかったら飲みになんかいかない!と思いながら、人がまばらにしか残っていないWCに飛び込み、重要な用事を済ませ、座席に着いたときは19時を回っていた。
息を整えながら、思い出した。
「。。赤坂の、サントリー。。。」。タクシー運転手は「元赤坂の、サントリーですね?」と反芻したんだった。ここは元赤坂では無い。その言葉が最初の違和感だったのだが、「赤坂」「サントリー」で間違いないと思い込んだのだ。運転手は「ホール」を聴き落とし、私は「元」を無視した。腹立たしさには変わりないが、自分にも不注意があったのだ。次回からは「赤坂の全日空ホテルの隣のサントリーホール」くらい言えば間違いないか?。それでたどり着けないタクシーは、今後都内を走らないで頂きたい。少なくとも、ワタクシの目の前には今後現れないで頂きたいものだ。
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by violatsubone | 2010-03-26 18:55 | 音楽鑑賞