アホの糞ころがし@読響

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読響定期演奏会@さんとりほーる
指揮 オスモ・ヴァンスカ
曲 アホ 交響曲第7番《日本初演
ベートーヴェン 交響曲第7番

今年のクリスマスシーズンはサントリホール正面は緑一色。エコをいいたいのか良く判らんが・・?

つう@5分前到着「ねえ、今日は何だっけ?」
おれんじ、気の毒そうに「アホ。アホの交響曲虫の生活」
つう「またそんな訳判らん奴なの!!」

フィンランドの作曲家、アホ。日本初演である。副題が『虫の生活』。到着して、またきびすを返そうかと思ってしまった。2連続で日本初演って、読響チャレンジングすぎる。ヒトを食った名前だが、フィンランド人のアホは割りと普通の、それこそ「田中さん」までいかずとも「森田さん」位普通の苗字みたいだ。首相もそんな名前がいたそうだし、有名なのはジャンプスキーヤーのアホネン。フィンランド人が大阪に住むと、ちょっとカルチャーショックが大きいのでは。

アホ。なんと交響曲14つもあるらしい。やる気になればアホオケだって成り立つだろう。伸縮自在達がこぞってどっかの演奏会に聴きに行っていたのは9番?。今回は指揮者がフィンランド人だから同郷の音楽を是非紹介したいということであろう。

6楽章から成り立ち、それぞれに題名がついている。1楽章は寄生バチ、2楽章は蝶 3楽章は・・
「何このフンコロガシ!しかも盗んだ糞の玉の上の悲しみ!ってどういう意味?」
フンコロガシで曲を作ろうなんて。余程の変な趣味じゃないかと思ったが、ライナーノートに「チャペックの戯曲より」と書いてあったので、急にナットクする。チャペックの作品であれば、山椒魚だって虫だって創作意欲をそそられるものに違い無い。って、評価が確定しているヒトと、知らないヒトの扱いの差は大きいわ。

感想を言えば、案外聴きやすく、面白かった。2楽章の蝶のダンスはジャズやタンゴの要素が盛り込まれ、アメリカンな明るさがうきうきさせる、(2楽章だけ頭に残っている。CDが欲しいと思った)フンコロガシは、最初にチェロがどよよっよーんと出てくるので、私はこのチェロは「糞」を表現しているのではなかろうかと思うが如何であろう。後から出てくるヴィオラとヴァイオリンのせせこましい刻みがフンコロガシで。そう決め込んで、そっかーチェロは糞の役だ、と一人で受けていた。
蟻は何処でも労働者の代弁だ。で、労働音楽と戦争の盛り上がり、これまたタコっぽかった。伸縮自在がバンダ隊で左右二人ずつたっていた。最後は蜻蛉で、まあ文字通り儚げ、最後はチェロの長いソロだった。頭髪が蜻蛉の様に儚げなチェリストは、強い主張は無いけれど地道に上手かった。

拍手の後、指揮者、ヴァンスカが背の高いオッサンを連れて舞台に現れ、拍手が大きくなった。今回は合唱指揮者はいない。バンダでもない。おお、今回こそは指揮者がまだ存命なのか!!。
おれんじ「あ、このおじさん、私がクロークに居たときに近くにいたわ。何か一人でウキウキしているガイジンがいるなあと思ったのよね。それ程アホのファンかと思ったらアホ本人とは」
そりゃあウキウキするだろう。

ウキウキついでに、斜め前の座席をみたら、2階中央の一番良い席に、ひときわ大きなヒトが座っていた。
誰あろう、指揮界の西郷どんである。しかしこんな目立つ中央の席にすわっちゃってまあ。
休憩時間終了後、ベートーヴェン7番の為に入場してきた団員、ビオラのS木YASUさんが真っ先に気がついてニコニコ笑った。続いてセカンドの女性(対向配置)も気がつき、弦の皆が2階見上げて笑っている。んで西郷ドンは手を振っている。あんたらアマオケか。まあ他の指揮者の時に良く聴きに来ているというし、そういう姿勢って団員にもとても好ましく映るんだろうな。仲もいいんだろうな。いやしかしデカイというか、、、丸い、、師匠も負ける。

休憩後のベト7は、とてもエキサイトした。ヴァンスカの指揮は歯切れ良く、情感とかお洒落さとかは無く、スラーの時の音にふくらみがある奏法させるのがちょっと気になったが、それ以上に推進力、ドライヴ感が抜群だった。のだめに出てくる演奏がもったりして感じる。イケイケ系のベトベン。特に4楽章の疾走度は素晴らしく、皆を興奮させるものだった。ずっとヴィオラトップのYASUさんに釘付け。東フィルのトップ嬢が旋回系で、都響のMANABU様が不動系だとすると、YASUさんは踏ん反り系。ふんぞり返り左足を思い切り前に出してリズム刻む、あるいは両足をどばっと開脚する《16分の速いところ》、そしてダウンダウンの箇所ではふんぞりかえったまま思い切りネックアップをする。《別にびよらはAAAAとやっているだけだし、全ての楽器やってるんだけどね・・》ロックミュージシャンみたいなのりだ。むっちゃくちゃ嬉しそうに弾いている。なんかそのポジティブなエネルギーが周囲に移っている様子。最後はノリノリの勢いで駆け抜け、年末の疲れを何処かに追いやってしまった。素晴らしく、華やかで、躍動感溢れる読(聴)後感が良い演奏だ。暫く興奮していた。
貴公子MANABUも素晴らしいけれど、ロケンローラーのYASUも捨てがたいな。
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by violatsubone | 2009-12-15 19:00 | 音楽鑑賞