天国のマーラー>都響

何と私の初マーラー演奏は4番だった。昔のFAF。2,3回出て、びよらメンバーがほぼ全員ジュネス生(まだ大學に籍だけ置いてひたすらびよら道を邁進していたぐっぴが乱釣りした)だった為、実力・仲間意識ともに苦痛以外の何者でもなかった以前のFAF。私は社会人だったし、話もあわんし。これでて、休団して、第9でて、退団した。余り良い思いが無い中、唯一覚えているのがこのマラ4だ。この曲は好きだった。でも生で聴くのは初めてか。何しろ伸縮自在がいないという素敵wな編成の為、アマオケでは余りやらない。派手さに欠ける為プロも演奏回数が多いわけでは無さそう。(ちなみに定期マーラーで最も良く聴いたのはマラ5だ)

今月から都響はインバルスペシャルが何回か続く。その中で比較的小規模の4番を聴けたのは幸運。

2曲プロ。両方とも歌つき。フランス語とドイツ語。
最初の1曲はラヴェルの「シェラザード」。そんなもん作ってたのかと思ったが、実は同名の曲をもう1曲つくっていたらしく、2曲も作ったのに、リムスキー氏の1曲に知名度が遙か遠く及ばないのはどうした事か。・・まあたしかに、物語そのものより、詩を題材にしたらしく、フランスものののほわほわした感じが終始続いて、インパクトが薄い。ちょっとこっくりして仕事疲れを癒させていただいた。

しゃんしゃんしゃんしゃん・・冒頭の鈴がクリスマスみたいな、マラ4。マーラーのシンフォニーの中で、最もというか唯一愛らしい奴だ。避暑地で書いたらしいが、どいつもこいつも湖の辺で曲を書くと愛らしいものが出来上がるものらしい。都響の弦楽器、木管は実にお洒落だった。濁音のダの字もない、キーという尖った音もしない、とても澄んだ音が隅々まで聞こえた。大曲をやるときの華やかさではなく、特に中低音の音がゴーゴーしていない、大人の色気漂う、品の良い音がした。我々が1番をだみ声の如き音で演奏しているのと、否が応でも比べてしまう。低い音がどうしてこう透明に、豊かに響くのだろう?
感涙ものの美しさであった3楽章。終盤の盛り上がりで、まるで紅白の演歌歌手出演シーンの様にソプラノ歌手が静々と入場した。この方は非常にほっそりして見た目が美しい。天上の歌に相応しい透明な声だ。惜しむらく・・というより最大の欠点が、声が小さすぎて飛んでこなかった事。フランス語もドイツ語もどっちがどっちか区別付かなかったこと。もしかしたら歌手にオケもあわせたかもしれない。

湖の様にひっそりと澄み切った大人の演奏だった。天上の暮らし、たしかにそんなかんじのフィナーレ。
沢蟹とか地下鉄とか指揮者に評された我々の出る音(ガチャガチャザワザワゴーゴー)とは、文字通り雲泥の差。そりゃ曲も全然違うけどさ。

ところで詩に出てくる天国の生活ってのは、食べて呑んで食べて呑んでばかりだ。どう考えても退屈だ。
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by violatsubone | 2009-11-19 19:00 | 音楽鑑賞