冬の日のヴィオロンのため息の・・

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名曲喫茶、都内に何軒も残っていない、クラシックを聴かせる喫茶店。我々よりも随分上の世代、学生時代にLPレコードが発売されたばかりの頃、音楽好きの学生が集まって聴きたい音楽をリクエストしたのだという。阿佐ヶ谷にある「ヴィオロン」という喫茶店も数少ない名曲喫茶。尤も私がこの日来たのは、生演奏を聴きにであるが。

当日、金剛寺えみ、ことRちゃんとメール
つ「どしゅが先日来てねといってた演奏聴きに行く?」
R「TCP?行く行く。今日の夜だよね」
つ「じゃあ現地でね(ふうん彼らTCPっていうんだ)」
R「終わったら楽屋押しかけよっか」
つ「?」
?をつけたまま別のことをしており、ふと思って2時間後
つ「あの、ひょっとして違う?私阿佐ヶ谷の喫茶店」
R「三鷹のTCPに出るのかと思った」
多分私がアマオケ業界しらなすぎるのだろうが、TCPってNY方式(なにそれ)の演奏をする団体があるのだそうで。赤い方々は割りと出演なさるらしい。あたしゃ、ヴィオラ4重奏のユニット名かとおもたよ。

19時ちょっとすぎていたのでピアノの演奏が途中だった。何となく曲が終わるまで店の外でまってみる。不思議な作りの喫茶店だった。中央に一段低い席があり、そこの窪みで出演者は待機しており、演奏入れ替え中なのでひっそりと於くの席に座る。コーヒーにブランデーを入れてくれた。レコードが山積みになり、奥には昭和の古きよき風合いを残した店だ。年代もののホーン型スピーカーがあちこちにおいてある。大きな蓄音機が中央に鎮座している。ってことはあの山はSPレコードってことね。。近くの席に、Dオケのヴァイオリンさん、私のことを「ブルジョアさん」と読んだ若い子がいた。覚えてくれていた。知り合いがいてよかった、と、ちょっとほっとする。喫茶店での演奏メンバーは全部で6人?赤いオケの方々と地球オケの方々のコラボ。我々も室内楽を始めたばかりなので、他の人がいろいろ企画しているのを観に行ってみようかなと。

今回はDSQメンバーが子育てで忙しいらしく、「どしゅかる」はヴィオラ4名だった。夫妻と、DSQのばよりんH君、地球オケのヴィオラの方。バッハのシャコンヌをN平一郎氏が編曲したヴィオラ4重奏版という世にも珍しいもの。ヴィオラスペース2000にて初演、翌年には譜面が発売されていたそうで、それを入手されたのだとか。チェロと違って同じ楽器のアンサンブルって少ないんで、ヴィオラ同士って結局チェロやばよりんの曲の編曲様様なのですな。シャコンヌは難曲で並みのヴァヨリニストでは弾けないが、それを4つに分けることで(労働を4分配)我々にも手が負えるようになったと、司会進行役のH氏の言。とはいえ、旋律&伴奏ではなく、各々4名に夫々に旋律分が割り振られているのであるから、逆に一つの音楽にするには難しく、難曲には変わらない。全員がオケ席ではトップに座る実力、百戦錬磨な4人であるから弾けたのだろう。日頃から合わせていたりしている仲間ということもあり、呼吸ぴったり。喫茶店という生演奏には響きが辛い場所でも(まあこういう場所だから古典の方がよいかも)きちんとアンサンブルになっているところが凄い。役割分担も、ぴったり。もともとヴァイオリン奏者のH氏が(バイオリンだから、といわれるのが癪だとはいってるが)ファーストを受け持って華やかに鳴らせば、弾き方も硬質な音の作り方も何となく似ている夫妻が2番3番の掛け合い。とてもどっしりいい音が出る地球オケな4番ヴィオラさんが低音を響かせる。この割り振りがベストだったんだと思う。弾きながらも相手の出るところ自分の出るところが明確に区別されており、自分の場所は速いパッセージを「滑舌良い」音できっかり弾きこなし、伴奏部分になったらすっと支えに回れる。素敵だ。ヴィオラ4本でもここまで幅のあるアンサンブルが出来る。多分、ヴィオラには俺様弾きが少ないので、トップ席のヴァイオリン4名もってくるよりも、アンサンブルとして合うのでは無いかと思う。まあそういった意味でもH君の1番はその中では向いていたわけで。
練習は3回程だそうだ。インペク役のH氏曰く「特にどしゅ夫婦の予定が全然あわず、本番終了後の夜とか、午前中とかになっちゃったんです」うん、大変だろうと思う。。この夫婦の空いている日を探すの(-_-;)。
地球オケバイオリンの方や、そこではヴィオラだが、ピアノがかなり上手な大人しそうな男の子の演奏も見事だった。ドヴォルザークの3重奏を弾いたバイオリンの方は艶やかな音色だった。ピアノは、譜面もろくに見ずにラフマニノフからガーシュインまで軽々と弾きこなした。ずっと弾いていて良いといわれたら人間ジュークボックスで何でもいつまでも弾いていただろう。
KBMNちゃんやら、赤いチェロトップの方、なども観客にいた。まあ殆ど身内なわけで、終了後にその喫茶店のオーナーの奥さんが経営しているというタイ料理や@2階におじゃま。出演者と一緒にわいわい騒いでいた。で、暫くすると、三鷹にいっていたRちゃんが、「顔のぞかせますー」と合流。初対面の人と楽しく会話できる術を備えている彼女の参加でまた一層賑やかに。ちょっと顔出す予定が、結局自宅に着いたら翌日になっていた。

アマチュア演奏家が気軽に演奏できる場所がもっとあればよいと思う。その意味では五反田のボナペティも貴重なところだ。

ついでのぼやき・・
喫茶店という場所は、海外からのカフェ攻勢でどんどん減ってきている。コーヒー一杯で何時間も座れられる喫茶店の経済効率は、D社やS社のカフェとは比較にならんほど悪い。生活のスピードがどんどん速く浅くなっていく現代には向かない業態であり、それは仕方の無い事だ。私自身も喫茶店で本読んだり、音楽聴いたりする時間は殆ど無くなってしまった。まだ、暫くは無さそうだ。私がもう少し年取ってからも、まだ喫茶店は存在しているだろうか?。私が定年になったり、老人になってからもあるだろうか?新しいものへの興味より失われていく懐かしいものへの郷愁が多くなり、やっぱり折り返し地点なんだなあとつくづく思う。
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by violatsubone | 2009-03-07 19:00 | 音楽鑑賞